記憶力を上げる勉強方法とは?長期記憶を鍛える認知脳科学による手法

記憶力を上げる
東大・大学生活

こんにちは!

ポン三です。

認知科学で学んだ記憶の仕組みや脳の特徴から、記憶力を高める方法を示したいと思います。

また、最後には記憶に関する面白い話題を取り挙げておいたので余裕のある人は見てみてください!笑

  • 記憶力を上げる勉強法を知りたい。
  • 上手く暗記できる方法を教えて欲しい。

という方は「記憶の種類」は飛ばして、2章を読んで下さい!

記憶の種類|長期記憶と短期記憶の違い

実は普段、記憶と呼んでいるものにはいくつか種類があります。

ここでは〇〇記憶と言われて何を示しているのか分かるようにしましょう。

長期記憶について解説するにあたり、まずは記憶の概要を説明します。

種類分け①意図的学習と偶発学習

これは頑張って覚えるか、何と無く覚えてしまうか、という区別です。

  • 意図的学習・・・意図して覚えようとして覚えるタイプの記憶
  • 偶発学習・・・意図することなくいつの間にか覚えるタイプの記憶

僕らが苦労してきた試験勉強などは、”意図的学習“になります。

勉強しなきゃ、と意識して何かを覚えた経験があるはずです。

一方で、友達の顔や名前を覚えたり、母国語の習得などは”偶発学習“にあたります。

子供の頃、日本語をノートに書いて覚えたりといったことをしましたか?笑

誰しもいつの間にかできるようになっていますよね。

みんなも経験している当たり前の事なんだけど、よく考えると偶発学習って凄いですよね!

種類分け②潜在記憶と顕在記憶

今度は先程とは違い、思い出す際に意図しているかどうかの区別です。

覚える場面での意図の有無は問題ではありません。

  • 顕在記憶・・・思い出そうとして思い出すもの。
  • 潜在記憶・・・思い出そうとせずに思い出すもの。

潜在記憶は思い出したという事にさえ気付かないこともあります。

例を挙げましょう。

昨日の夜食べた物はなんだっけ?と頑張って思い出すようなものは”顕在記憶“。

そして、普通に会話したり文章を読んだりできるのは”潜在記憶“のおかげ、なんですね!

一つ一つの言葉の意味を思い出している自覚は僕らにありません。

ポン三
こうやって対になる関係性に注目して、記憶について振り返ってみるとその奥深さに驚かされますよね。
ネズ美
人間の頭は良く出来ていますね。

種類分け③感覚記憶、短期記憶、長期記憶の違い

最後、本題の長期記憶が出てきます。

感覚記憶、短期記憶、長期記憶の関係性を整理しましょう。

感覚記憶、短期記憶、長期記憶
まず、目に入ってくるもの、聞こえてくるものはとても短い間感覚記憶という場所に瞬間的に貯蔵されます。

これは自分の外の世界を知覚したままのもので、次々に移り変わっていきます。

情報が貯蔵されている時間は、視覚情報で1秒程度、聴覚情報で5秒程度と言われています。

ポン三
普段使う記憶という言葉は、長く覚えている事を意味するので変な感じがするかもしれませんね。

そして感覚記憶の中で注意を惹くようなものは、短期記憶という貯蔵スペースに転送されます。

短期記憶については別の記事で詳しく書いています。

>>>短期記憶についての記事をみる

短期記憶の特徴

  • その容量は『7±2』
  • 短期記憶内に存在する情報は操作できる
  • 外の情報だけでなく自分が想起した情報も存在する

さらに短期記憶に存在した情報の一部は、永続的に知識として貯蔵される長期記憶に保持されるようになります。

これらが感覚記憶、短期記憶、長期記憶の関係です。

具体例でも考えてみます。

例えば、ある音楽が流れている状況を想像してください。

あなたが耳を傾けていない時は、音楽は感覚記憶に瞬間的に入ってきては消えていきます。

突然僕が、今流れているところの歌詞を覚えて、と言います。

すると、あなたは音楽に意識を傾けますよね。

その時意識を向けている歌詞は短期記憶に転送されます。

短期記憶の限界を考えれば、「胸に残り離れない苦いレモンの匂い雨が」くらいまでしか覚えられないはずです。

私達が認識しそうな意味のまとまりに区切ってみると、ちょうど7つになりますね。

“胸に” “残り” “離れない” “苦い” “レモンの” “匂い” “雨が”

そして、何度かこの音楽を聴くことで歌詞は長期記憶へ保存されるようになります。

ネズ美
イメージは掴めましたか?

ここまでで記憶に関する話は大体聞けます。

長期記憶への定着を高める3つの方法

ここからはどうやって長期記憶へ定着させていくかという話です。

実用性がある内容に入っていきますよ!!

記憶力の上げ方①リハーサルで繰り返し復唱する

リハーサル
ここでいうリハーサルとは、何かを覚えようとして頭の中で行う復唱のことを意味します。

リハーサルの回数は多くなるほど、記憶成績が上がるという結果が実験で確かめられています。

そりゃそうだという感じですね。

何度も繰り返したほうが覚えられそう、という私たちの感覚と一致しています。

記憶力の上げ方②意味のある処理を加える

長期記憶に定着させるためにはリハーサルを繰り返すしかないとすれば、覚え方の工夫なんてないですよね。

「情報にどのような操作、処理を加えるかが長期記憶の記憶保持の成績に強く影響する。」ということも分かっています。

つまり記憶力を上げるには、意味のある処理を加えれば良いのです。

実際に行われたブレイクらの実験を紹介します。

あるグループの人には、単語のリストを与え、その中に特定の文字が含まれているか判断させます。

別のグループには、そのリストの中に特定の音が含まれているか判断させます。

最後のグループには、リスト中の単語各々についてそこから連想する単語を一つ挙げてもらいます。

これらの課題をした後に、リストにあった単語をできるだけ挙げてもらう、という実験です。

結果は、簡単に想像がつきますよね?

記憶成績が最も良かったのは単語を連想したグループで、文字探しをしたグループが最も悪くなりました。

これは、単語連想では単語の意味の深さでの処理を行ったのに対し、文字探しは視覚的な判断のみであった可能性があるからです。

ポン三
では僕らの暗記力向上に生かしましょうか?

例えば、問題演習を繰り返すというやり方が一つ考えられます。

覚えた事を様々な角度から見直す事で記憶に強く刻まれるはずだからです。

記憶力の上げ方③精緻化でストーリーを作る

覚えたいことに別の情報を付け足すことで記憶成績を向上させることもできます。

精緻化とは、与えられた情報に別の情報を付け加えることを言います。

この別の情報というのは、ストーリーであったり、カテゴリーであったり様々なものが有り得ます。

ここで重要なポイントは、他人が行った精緻化を聞くよりも自分で精緻化を行った方が成績が良くなるということです。

これは自己生成効果と呼ばれています。

精緻化で付け加えられる情報は、本人のよく知っていることであることが多いため思い出しやすくなるからでしょう。

つまり、ある暗記事項に対して最適な精緻化というのは人によって異なるのです。

ポン三
知識や経験は人によって様々だからですね。

暗記したい時は、自分の趣味と似ている所はないか、何か結び付けられないか考えてみると良いでしょう。

最後に、僕がやっていた勉強法を一つ紹介させてください。

暗記勉強法〜ポン三流〜

    1. 参考書などをみながら覚えたい事が答えになる短い問題を自分で作ります。

(まずは重要だと思うところや紛らわしい所に絞り量が莫大にならないようにする事がコツです。)

    1. ある程度たまったり、テキストの区切りが良いところで作った問題を解きます。
    2. テキストを読み進めて問題を加えていくか、同じ範囲で問題を加えます。
    3. その日は、これを繰り返します。
    4. 次の日、もしくはそれ以降に問題を解いてみて解けたらもういらないので捨てます。

(後日また自分で問題に加えることになっても気にしないで下さい。以前より定着しているのは確実です。)

この勉強法のメリットを紹介します。

繰り返すことでリハーサルの効果により定着がすすみます。

自分で暗記したいことが、答えになるにはどんな問題が適しているか考えることで意味に基づく深い処理を行うことができます。

さらに、それは自分で作り上げたストーリーという見方もできるので、精緻化による記憶成績向上効果も得られます。

ポン三
先程学んだ方法が全部入ってます。

長期記憶と脳のメカニズムの不思議

記憶や認知に関わる人間の脳の仕組みやその不思議について触れていきます。

ここからは興味がある人だけ読んでください!

なぜ精緻化は余計なことを覚えて記憶成績が向上する?

精緻化、つまり情報を付け足すことが記憶成績の向上に繋がるという事を学びました。

しかし、覚える事を増やす事で覚えやすくなるというのは、なんだか変じゃないですか?

ここでは符号化特定性原理によってその理由を解説します。

堅苦しい名前ですが、単純に言うとこうです。

「思い出したいものを覚えた時の状況と思い出す時の手がかりが一致しているほど思い出しやすくなる。」

というものです。

下の図のようなイメージです。

符号化特定性原理 覚えた時
松尾芭蕉を覚えようとしている時、松尾芭蕉だけでなくそれ以外にもいろいろな情報を私達は受け取っているのです。

そのいくつかが上の図の中で松尾芭蕉の周りに書かれています。

今度は松尾芭蕉を思い出す時を考えてください。

その時、図の松尾芭蕉の周りの部分が一致していれば一致しているほど思い出しやすくなる、と言うのが符号化特定性原理なんです。

符号化特定性原理 思い出す時

例えばこれは思い出す時の状況ですが、赤い部分が覚える時と異なっている部分です。

同じく自室で勉強していると思うので状況はほとんど一緒ですね。

これが試験会場など状況が全然違うと思い出しにくくなってしまうんですね。

ポン三
受験勉強などで出来るだけ本番と同じ環境で練習しろ、と言うのは思ったより効果があるのかもしれません。

情報を付け足して覚えることが記憶力の向上に繋がる理由というのももうお分かりですか?

暗記事項と繋がる手がかりがたくさんあった方が思い出しやすい、こういう事なのです。

なぜ思い出せそうで、思い出せない!?

こんな経験ありませんか?

 

「あと、もうちょっとで思い出せそうなんだけど、、うーん、、。」

思い出せそうで思い出せないというこの感覚は、理論的にも説明できるのです。

  • 思い出した。
  • 思い出せない。

当たり前ですが、私達はこのどちらかの状態しかないと思っています。

何も思い出してない状態から、少しずつ思い出す方に向かっていって、もう少しで思い出せそうな状態を経て、思い出しているという状態に至るのです。

思い出せてる度という連続量で考えるとわかりやすいです。

思い出せてる度がある一定値を超えた時に、私達は思い出したいものを認識できるのです。
思い出せてる度
上の図をみてください。

思い出そうとする自分の意思や何かしらの外からの刺激によって思い出せてる度は上がっていきます。

そして、一定値を超えた所ではじめて私達は思い出したという認識をします。

つまり、「もうちょっとで思い出せそう。」というのは一定値の少し前の状況なのです。

ポン三
思い出せてる度が思い出す方向に向かう刺激が何かあれば、思い出せるんですね。

ちなみに、思い出せてる度を認知科学では活性度と言います。

潜在記憶が気付かぬ間に思考判断に影響を与える

私達はCMなど広告に印象操作されているかも、という話題に認知科学的アプローチをします。

少し話は戻りますが、思い出せてる度に影響を与えるものはなんでしょう?

答えは、それに関わるもの全てです。

これは符号化特定性原理を思い出していただければ納得だと思います。

プラスの感情と結びつくものを見たり聞いたりして、プラスの感情の思い出せてる度が一定値を超えれば、私達はそれを認識します。

なので、ある商品のCMに多くの人にとってプラスの感情と結びつきやすい聴覚情報、視覚情報を入れてやれば、それを見た人はプラスの感情が活性化され、その商品自体をプラスの感情で見てしまいます。

そして商品自体を何だかいいなあ、と錯覚してしまうのです。

これを裏付ける実験を紹介します。

単語リストに含まれる言葉入れ替えて文を作らせます。

その時、一方のグループにはネガティブな意味の単語が多く含まれるリストを与え、もう一方はそうでないリストを与えます。

その後に別課題として、ある人物のプロフィールを見せ、その人物の評価をさせます。

すると、ネガティブな単語で文章を作ったグループはその人物の評価をネガティブなものにしやすくなったのです。

これは、ネガティブな単語で文章を作った際にネガティブと関係するものの思い出せてる度が高くなるからです。

さらにそれらは連続的に変化するので、人物評価をする際にもまだ0まで戻らず意識化に現れやすい状況になっていたのです。

つまり、私達は理性的に判断を下していると自分で思いながら何かに影響されてしまっていることがあるのです。

ポン三
面白くないですか?

以上、長期記憶と認知科学の不思議の記事でした。

暗記、記憶を効率よく進めたい場合はこの記事で紹介した方法を試してみてくださいね!

最後に、この記事の内容は『教養としての認知科学』で学んだ事をもとにしています。

良かったら原本をどうぞ!

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面白い本ですよ。

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