行動経済学とは?【具体例やおすすめ入門本】心理学が経済を変える?

行動経済学って何?心理学や環境学とも繋がる具体例とおすすめ入門本
東大・大学生活

こんにちは!ネズ美です。
今日は東大の授業内容紹介、第四弾!

この記事を読んで分かること

  • 行動経済学とは?伝統的な経済学との違いは何?
  • 行動経済学の具体例社会でどう使えるの

行動経済学とは?東大の地球環境学の講義内容紹介

東大本郷キャンパスのイチョウ

行動経済学は、今までの経済学とは根本的な前提が異なる、大変斬新な学問です。
行動経済学の理論がノーベル賞を受賞し、大変注目を集めています。

ちょうど大学の授業で行動経済学についてやったので、少しご紹介したいと思います。

今までの経済学と何が違うの?ノーベル賞受賞!今注目の学問

行動経済学とは?具体例がほしい

ではさっそく今までの(古典的な)経済学との違いからご説明していきます。

中学や高校で習ったことがあるかもしれませんが、今までの経済学というのは、個人や企業などは経済的合理性に従い行動することを前提として議論が進められています。

イマドキの言葉でいえば、「行動する際は絶対にコスパを考え、利益が最大となるように決断する」というのが当たり前の条件であったということです。

しかし、私たちの感覚に合うように、実際の社会において、それは必ずしも当てはまりませんよね。
伝統的経済学では説明できない出来事が沢山起きています。

そこで、提唱されたのが行動経済学です。
行動経済学では、人間が限定合理性に従って行動することが想定されています。

ポン三
いつも完全な合理性に従って行動するわけじゃないんだ!

ここで大事なのは行動経済学が、「人間は合理的に行動しない→完全にランダムに活動する」としてしまうのではなく、「一定の規則性を見出すことができる」としていることです。

ネズ美
様々な感情が伴って決断する人間の行動の中に、何かしらのルールを見つけ、それを色んな事に活用していこうっていうこと!

ここで、もう少しイメージをわかせるために具体例を見ていきましょう

分かりやすく具体例を教えて!知ってしまうと世界が変わる?

行動経済学の具体例を紹介

ここでは簡単な例として“絶対性と相対性”の判断の例を少し紹介します。

以下の2つ、あなたはどちらを好みますか?

  • A 自分以外の全員の報酬は2万円で、自分だけ1.5万円
  • B 自分以外の全員の報酬は1万円で自分だけ1.2万円

伝統的な経済学では、人間は常に合理的な判断をくだす生き物として考えられているので、もらえる価格がより高いAを確実に選択します

でも、実際の私たちの感覚では、自分だけ損をしている気分になるのは嫌なので、多少額が下がってしまったとしてもBを選びたくなる心理が働くこともありますよね。

ポン三
これは“自分以外の全員”がバイト仲間なのか、今日たまたま集められた他人なのかによっても変わってくるかもしれません。

とにかく言いたいのは、実際の人間は数字の絶対的な大小だけでは判断せず、幸せ(そして行動の仕方)は相対的に決まるということなのです。

もう1つだけ授業で紹介されていた例を共有しましょう。

  • A 近くの店では1480円で売っている本が、15分離れた店では980円で買える。
  • B 近くの店では42480円で売っている携帯が、15分歩けば41980円で買える。

Aだと「500円安くなるなら15分歩こうかな」と思いますが、Bでは「たかが500円なら近くの店で買おう」と思ってしまいませんか?

どちらも差は500円。
絶対値は変わらないのに、私たちの行動は同じではありませんね。

繰り返しになりますが、このような人間の特徴を考慮して社会を記述し、利用していこうとするのが行動経済学です。

ノーベル経済学賞受賞の理由|ナッジで人々の行動が変わる?

ナッジとは?行動経済の使われ方
行動経済学でノーベル賞を経済学賞を受賞したRichard Thaler博士。
受賞の決め手は”ナッジ(nudge)”という概念にあるのではないかと言われています。

ナッジとは元々「軽くつつく」ことを意味していますが、行動経済学では簡単にいうと、
無意識的・自発的にしたような気分にさせながら、人々をある行動選択に導くためのきっかけや仕掛け
のことを指します。

例えば、有名なところでいえば、オランダのある男子トイレでは便器に黒いハエの絵を付けて、掃除を楽にするのに成功した話がありました。

他の具体例としては、学校のカフェテリア(食堂)では、料理の配置の仕方よって生徒の料理の選択が変わるそうです。

生徒の健康を考えて、最善の利益となるように、料理の並べ方を変えることができるということです。

ネズ美
選択の自由を尊重しながら、人々が不利益を被らないようにナッジできるんだ!(自由主義的温情主義)

行動経済学は社会でどのように使われているの?具体例3つを紹介

行動経済学の社会での3つの使われ方

ここからは、「じゃあ実際、行動経済学で学べるようなことは何に使えるの?」という疑問に答えてまいります。
広告や商品の売り方を含め、マーケティングや企業戦略に😲するくらい使われているんですよ。
「講義を聞いていて、あ、絶対あれもそうじゃんーって思うことが沢山ありました!」

所有バイアスとは?試着(お試し)で売り上げ効果アップ?

所有バイアス!行動経済学の例

保有バイアスとは、実際に何かを所有する前に所有意識を持ち始める効果のことです。

車の試乗や服の試着、1カ月のお試しなど、一度試させることで、所有意識が高まり、消費者の購入確率が高まるというものです。

先日、ストライプインターナショナル(アース ミュージック&エコロジーなど)の石川社長から伺った話ですが、

ネットショッピング(ストライプデパートメント)においても、「試着サービス」として気に入らなかった商品を送り返せるサービスを売り出した方が、「返品可能」として認知させたときよりも売り上げがあがるそうです!

保有バイアスをうまく利用した戦略ですね。

”所有意識は生活に刷り込まれているため、所有意識から逃れる既知の方法はない”
アダムスミスもこんなことを言っています(笑)

比較可能性とプロスペクト理論で狙い通りの商品を買わせる!

プロスペクト理論とは?

人間は、比較対象がないと選択するのが苦手だといわれています。

例えば、友達と東南アジア旅行に行くプランを選ぶことになったとしましょう。

ベトナム4泊5日85,000円タイ4泊5日85,000円の2つからの選択となるとちょっと迷ってしまいます。

ただ、そこにベトナム3泊4日82,000円のプランが加えられていたらどうでしょう。

この3つのプランが並んでいたら、急に「ベトナム4泊5日85,000円」がお得で魅力的に感じてきますよね。

おとり作戦で商品の購入件数をアップさせることができるということです。

これも、同じ額でも得ることよりも失うことの方がインパクトが大きいというプロスペクト理論にもつがなるかもしれませんね。

また、極端回避性といって、低位・中位・高位がある場合には中位を選択する傾向もあります。

ネズ美
松竹梅のコースをとりあえず用意しておけば、単品の場合よりも真ん中の竹コースを選んでくれる可能性があがるということです!

社会的参照点で家庭の消費電力が変わる?ヒューリスティック・ハーディング現象

消費電力に影響を与える

もう1つ行動経済学の考え方が社会で使われているおもしろい例を挙げましょう。

例えばあなたが偉い人で、政府に「住民の消費電力を減らしてほしい」と頼まれたと考えてみてください。

ポン三
どうすれば住民の生活を意識を変えられるでしょうか?

このとき各家庭に消費電力を通知する紙に、
環境のために省エネのご協力をお願いします」とかくよりも、
「○○以上の消費電力の家庭は一律で税金を課します」とかいて税を課すよりも
なんと『近隣の家庭の電力消費状況』を表示して与えたほうが
効果があるんだそうです!

社会的参照点を与えることで人々は半ば無意識的にそれに合わせようとするんですね。
(ちなみにもともとその値よりも電力量が少ない家庭は消費量がアップする傾向にあります)

おもしろいのは、近隣よりも消費電力が多い家庭の通知に😕のマークを入れると、さらに効果は上がり、消費電力が下がるそうです!
凄いですよね。

他者を模倣し、群れ(ハード)をつくって行動を同じくしたいと思うのはヒトの重要な社会的性質の1つです。

これはヒューリスティックスの1つで、迅速な意思決定によってうまく生き抜くために培った術だとも解釈されています。

行動経済学には面白い理論や納得する例が本当にたくさんあるのです。
もっとたくさん知りたい人はぜひ次に紹介する本を読んでみてください!

おまけ|行動経済学の入門本ならおすすめはコレ!授業内容との比較

行動経済学のおすすめ入門本

こちらが行動経済学についてもっと知るのにオススメの本です!
東大の授業の教科書だったわけではないのですが、ポン三が買って読んでいたので、私も読ませてもらいました。

例が沢山示されているので、私のような初心者にとっても、とても分かりやすい本でした。

興味を持った方はぜひぜひ読んでみてください!
おすすめです!


〔エッセンシャル版〕行動経済学

東大授業紹介まとめ|行動経済学は今日から使える身近な学問!

東大の授業を紹介!地球環境学
社会心理学的な人間の思考パターン・行動の傾向は、聞いたら当たり前じゃんと思えることばかりです。
ただ、今までの伝統的な経済学ではそのようなな当たり前と感じることが全て無視されて、利益の最大化だけが評価され経済活動が記述・予測されてきました。

私がおもしろいなと感じるのは、当たり前と思えるそれぞれのことにバイアス・ヒューリスティックスなどの名前をつけることで初めて、私たちはその特徴を認識することができ、そして認識することで初めてそれらをビジネスや教育などに利用できるのだということです。

限定合理性に基づく私たちの行動選択の傾向をは、経済活動の研究を超えて、日常的なシーンでも使えそうなことばかりです。
もっと知りたいと思った人は良かったさ先ほどの本も読んでみてくださいね☻

最後まで読んでくださりありがとうございました!

心理学が好きな方はこちらもどうぞ。

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